県庁での取材で事業がスタートした年を聞くと、話が止まる。新聞は西暦での表記が基本だが、県職員は元号で答えることが多く「西暦では何年ですか」などと確認するためである▼県は昨年4月から、原則元号表記だった各種文書について元号と西暦を併記する取り組みを始めた。県民に分かりやすい文書を発信するのが狙い。ただ長年の習慣もあり、取材に西暦で答えるにはもう少し時間がかかりそうだ▼元号は不便との意見もあるが、「大化」から「平成」まで約1300年にわたって使われてきた。明治維新など、歴史用語として元号を含むものは数限りない。日本人の生活にしっかりと根付いている▼県内で「平成」の名を冠したものといえば、那須御用邸の一部用地を一般開放し2011(平成23)年にオープンした「那須平成の森」がある。天皇陛下の「国民が自然に触れ合える場として活用しては」との思いを受け、在位20周年などもあり「平成」が盛り込まれた▼那須御用邸は約662ヘクタールあり、皇室用財産の中で最も面積が広い。次が高根沢町などにまたがる御料牧場の約251ヘクタールという。こうした皇室とのつながりは県民にとって誇りでもある▼新元号が発表され「令和(れいわ)」となった。新しい時代を迎える象徴となる。「平成」同様に、国民に親しまれ定着してほしい。