関係者に見守られて園地に進水した和船「鶴亀号」

 【足利】室町時代の浄土庭園の復元が進む樺崎町の国史跡樺崎寺跡の園池で30日、和船「鶴亀(つるかめ)号」の進水式が行われた。園池が昨年、復元された後、地元で「船上で音楽を演奏したらどうか」と話題になり、同寺跡の樺崎八幡宮(はちまんぐう)総代たちが船を手に入れ、市教委にも相談した上で進水式にこぎ着けた。

 樺崎寺は1189年、足利氏2代目の義兼が創建したとされる。八幡山山麓に主要伽藍(がらん)が並び、園池を中心とした浄土庭園が広がっていた。明治時代の神仏分離令により廃寺となり、園池はため池として使われていた。

 昨年以降、浄土庭園の主要部分が復元を終え、往時の優美な風景がよみがえっていた。昨秋の樺崎八幡宮の祭り後、船のアイデアが話題に浮上。同八幡宮総代代表の斎藤昭一(さいとうしょういち)さん(80)が今年に入り、渡良瀬川沿いの知人などを訪ね歩き、埼玉県加須市の知人から使っていない川船を譲り受けた。その後、自分たちで防水加工などの修理を行い、浮かべられる状態にした。

 船名はため池として園池を使っていた地元の人たちが「鶴池・亀池」と呼んだのにちなんだ。進水式には八幡宮総代や地元自治会などの関係者約20人が出席。神事の後、護岸をウレタンなどで保護しながら船体を水面に滑り込ませた。

 大人3人が乗り込み、竹ざおを差しながら中央の島をゆっくりと一回りした。式で斎藤さんは「4月には新元号が発表され、5月には新しい天皇が即位する。浄土庭園の復元も池、芝生などが整い、いくつもの節目に進水式ができた」とあいさつ。今後は八幡宮の祭りなどで船上から邦楽を奏でる試みなどを考えている。