カップヌードル自販機の前に立つ斎藤さん

 【大田原】上石上の国道4号沿いに、昭和の香りが漂うレトロなカップ麺の自動販売機がある。斎藤清子(さいとうきよこ)さん(71)=宇都宮市下小倉=が5年前に夫に先立たれた後、一人で管理経営する「オートレストラン」の一角。全国的にカップ麺の自販機は希少になっているが、NHKの連続テレビ小説「まんぷく」に登場したことで、にわかに注目されるようになった。「夫が残した店を守りたい」。清子さんは思いを新たにしている。

 清子さんと夫の幸雄(ゆきお)さん夫婦は42年ほど前、上石上と矢板市中にさまざまな食品の自販機を並べた「オートレストラン」を開いた。24時間営業の外食店やコンビニエンスストアが普及していなかった時代、深夜勤務のトラック運転手などに重宝された。

 自らトラック運転手として働いた経験があり、「運転手が食事しながら休憩できる場所を作りたい」との思いで経営に当たる幸雄さんを清子さんが支えた。

 カップ麺の自販機を導入したのは35年ほど前のこと。日清食品の創業者夫妻をモデルにした「まんぷく」では、カップ麺の売り上げが伸びずに悩む主人公が専用自販機に販路拡大の活路を見いだした。同店にあるのも日清の自販機だ。

 「若い世代には存在自体知らない人もいるのよ」と清子さんは驚く。カップ麺の販売が始まった1970年代、専用自販機は全国的に普及したが、コンビニの台頭で激減した。今となっては希少な自販機を写真に収めようと、清子さんの店には県内外からマニアが訪れる。

 「朝ドラを機にもっと多くの人に知ってもらえれば」と清子さん。店頭にカップ麺自販機をPRするのぼり旗を設置する。「目標は開業50年まで店を続けること」