コウノトリも飛来する第2調節池

 【小山】渡良瀬遊水地の観光地化を進める市は新年度、遊水地の情報発信と地域交流の拠点となる「エコ・アグリツーリズム推進拠点」を整備する。遊水地近くの農家の空き家を改修し、観光客が立ち寄れる休憩所や展示スペースを設ける構想で、国の補助金を活用する。2019年度予算に事業費約8100万円を計上し、同年度中の完成を目指す。

 下生井の遊水地にある第2調節池には、国の特別天然記念物コウノトリも飛来し、希少動植物が生息する場所として写真愛好家や自然愛好家が訪れている。

 しかし周辺には休憩できる場所や飲食店がほとんどなく、遊水地に関する案内や展示も不足しているため、観光客が気軽に足を運べる環境にないことが課題になっていた。

 市は市渡良瀬遊水地観光地化推進5カ年計画(2018~22年度)に空き家を活用した交流拠点の整備を盛り込んだ。現在、第2調節池近くの空き家の選定について関係者と協議を進めている。

 拠点施設には休憩所にカフェを設け、遊水地の湿地に関する情報発信の機能を持たせる。展示スペースには遊水地に生息する昆虫の標本や、遊水地の成り立ちの背景にある足尾鉱毒事件をテーマに谷中村の人々の姿を描いた市出身の版画家小口一郎(こぐちいちろう)の作品などを展示する方向で検討する。

 このほか周辺で生産された野菜やヨシズなど特産品の販売やガイド付き自然体験ツアーなども行い、観光客の滞在時間を延ばして地域活性化を図りたい考え。

 整備費の一部に充てるため、国の地方創生拠点整備交付金を申請し、約3700万円分が交付される見通しとなった。