初公開されている「鍾馗図のぼり」

 【足利】幕末から明治期にかけて活躍した市ゆかりの日本画家田崎草雲(たざきそううん)(1815~98年)の絵画や遺品を所蔵する草雲美術館(緑町2丁目)は、5月に開館50周年を迎える。節目の年に合わせ今月から季節ごとに展示会を通年開催し、第1弾として初公開の墨画「鍾馗(しょうき)図のぼり」などを展示する特別展「春の旅」を5月19日まで開く。

 草雲美術館は1968年2月、医師だった栄町の故鈴木栄太郎(すずきえいたろう)氏が私費を投じ、草雲の旧宅「白石山房(はくせきさんぼう)」の庭園内に建設。その後作品と共に市へ寄贈され、69年5月に開館した。

 現在の所蔵品数は計約500点。作品を通して草雲の生涯や作品の魅力を半世紀に渡り伝えてきた。

 今回展示する「鍾馗図のぼり」は幕末の動乱期だった1861年、草雲が率いた民兵組織「誠心隊」の隊員に男児が誕生したことを祝い、贈られたと伝わる。中国の魔よけの神「鍾馗」の絵画などを、端午の節句に奉納する習慣があり描かれたとされる。

 縦4メートル、幅1・3メートルの一幅で、今年に入って市内の旧家から寄贈を受けた。同館によると、草雲の作品の中でも最大級という。

 このほか、桜の名所である奈良県吉野町の吉野山をほうふつとさせる草雲晩年の絵画「一目千本(ひとめせんぼん)図」など春にちなんだ作品計24点を展示している。

 大森哲也(おおもりてつや)館長(60)は「有志の思いが募り、守られてきた美術館と所蔵品の数々。作品から草雲の人間性や生きざまを感じてほしい」と話している。

 特別展は季節ごとに作品を入れ替え、6月1日からは「夏の旅」の開催を予定している。

 午前9時~午後4時。一般・高校生210円。中学生以下無料。月曜休館。(問)同館0284・21・3808。