雪崩事故防止研究会(札幌市)が設立されたのは1991年。雪崩に関する科学的な知識の啓発などが目的で、研究者や登山家らで構成している▼設立前、北海道大の学生は23人が雪崩で死亡していたが、94年以降は皆無で阿部幹雄(あべみきお)代表は「私たちの活動の成果」と胸を張る。先日、大田原市総合文化会館で「雪崩から身を守るために」と題した講演会を開いた▼道外での開催は初めて。大田原高の生徒ら8人が死亡した那須雪崩事故直後から現地調査などを行っており、冒頭で「教員の方たちの雪崩知識の不足を感じる」と指摘した▼「雪崩の発生メカニズム」といった講義を聴くと、斜面に雪が積もれば雪崩が起きるのは当たり前という事実に気付かされる。本多勝一(ほんだかついち)著「リーダーは何をしていたか」は、山岳事故の経過と原因を考察し、安易な登山に警鐘を鳴らした書として知られる▼高校生の八ケ岳二重遭難事故の例では「雪山は夏と条件が異なる。失敗は死に直結する。リーダーの資格を問うのは当たり前」と断じている。学校の体制の問題もあるだろう。過去の悲劇を教訓とする重要性を痛感する▼那須雪崩事故からきょう27日で2年となる。県警は先日、引率教諭3人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。捜査は区切りを迎えたが、遺族の悲しみは消えることはない。