空き店舗が目立つ商店街のにぎわいをどう取り戻すのか。空き家が多い住宅地を元気にする方法はあるのか。この問題を解決する手法として「リノベーションまちづくり」が注目されている▼再開発してビルやマンションを建てるのではなく、遊休不動産に手を入れ新しい店舗や企業、居住者を呼び込み活性化していこうという発想だ。地域に中心となる人物や組織がいて、個性的な街づくりを進めているかが成功のカギと言える▼静岡県熱海市のJR熱海駅から坂を1キロぐらい下がった、海近くにある銀座商店街が注目されている。取り組みの中心は「machimori」という株式会社だ▼今では空き店舗を再生したカフェやゲストハウス、コワーキングスペースを運営するほか、ビルを改装してプリン店に転貸している。商店街の空き店舗はほぼなくなり、地価も上昇に転じた▼江戸時代には「家守(やもり)」という仕事があった。地主や家主に代わって土地や家を管理し、地代や店賃(たなちん)を集めたり、まとめ役となったりする。地元に責任を持つ人や民間組織が街づくりを進めるこの活動は「現代版家守」とも呼ばれている▼こんな家守がいろいろな所に現れてきた。2020年度には県内16市町でも、リノベーションまちづくりの実証実験が予定されている。面白い街が生まれる予感がする。