柔道家の耳はつぶれていることが多い。「餃子(ぎょうざ)耳」「カリフラワー耳」と呼ばれ、寝技の練習などでできるという。強い柔道家の勲章ともいえる▼「第6回下野新聞KIZUNAスポーツ大賞」の大賞を受賞した下野市出身の高藤直寿(たかとうなおひさ)さん(25)の耳も同じ。中学1年でできたというから年季が入っている。親元を離れ、中学から神奈川の東海大相模中に進んだ。激しい稽古のたまものだろう▼前回リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得し、その後の世界選手権で2連覇を達成。東京五輪60キロ級の最有力候補である。県民の期待の大きさが大賞につながった。表彰式では「東京では必ず金メダルを取ります」と力強いあいさつを披露した▼鍛え抜かれたアスリートのオーラが漂う。リオ五輪では「金メダルが取れると確信していて舞い上がっていた」と振り返る。今は平常心。柔道漬けの日々で、足の位置、手の位置、メンタル面などを工夫する毎日という▼県柔道連盟の吉田忠征(よしだただゆき)会長は「ルール改正で帯から下に手を入れると反則になり、得意の小股すくいや肩車が制限された。それをものともせず、新しい技を生み出している。柔道の天才」と絶賛する▼「東京五輪で柔道の素晴らしさを感じてもらい、競技人口が増えること」が高藤さんの願い。県民の心を一つにして応援したい。