緊急地震速報が鳴ると迅速に机の下に頭を隠す児童たち=2月27日午後、日光市瀬尾

 県内で障害のある児童生徒への防災教育が進められている。障害者は災害の危険がイメージしづらく、状況を把握できないケースもあるという。宇都宮地方気象台の協力で、障害の種類に応じた防災教育に取り組んでいる県内の特別支援学校などでは、抜き打ち訓練の反復や視覚的な学習を重ねたことで防災意識や避難行動が身に付いてきている。

 東日本大震災以降、県教育委員会は県内の特別支援校などで効果的な防災教育の検証を進めている。2017年度にモデル校だった今市特別支援学校と県盲学校は培ったノウハウ生かし、継続して防災教育に力を入れてきている。

 2月下旬、今市特別支援学校で地震の発生を想定した抜き打ち訓練が行われた。緊急地震速報の音が教室内に鳴り響き、驚いて思わず耳をふさいでしまう知的障害のある小学4年の児童たち。だが、すぐに机の下に頭を隠し、机の脚を力強く握った。

 同校は緊急地震速報が鳴ったら、すぐに自分の身を守る体勢を取るという抜き打ちの「ショート訓練」を18年度は2カ月に1回のペースで実施した。17年度当初は驚いて騒ぎ出したり、固まってしまったりする児童もいたが、訓練を重ねることで、多くの子どもが落ち着いて行動するようになったという。

 また、教室、廊下、屋外など場所に応じた適切な避難行動を教員が実演。段ボールで作った疑似のロッカーが倒れるところを見せることで災害時の危険性を訴えた。同校防災担当の山本由紀(やまもとゆき)教諭(47)は「視覚に訴えることはとても有効だった」と手応えを感じている。

 一方、視覚障害者は地震が起きた時に倒れたり落ちたりする危険なものを把握しづらいという。そのため、県盲学校ではロッカーや窓ガラスなどに手で触れて、地震が起きたら危険な場所を覚え込む防災教育に取り組んできた。

 教員の意識にも高まりが見られ、通常の授業や校内を移動している時に危険な場所を教えるなど、日常的に防災教育を取り入れるようになった。同校教務主任の石塚伊都子(いしづかいつこ)教諭(57)は「自分の身を守れる力を付けさせるのが防災教育だと教員が認識するようになった」と話した。