下野市職員が給与の水増し処理を行い、公金を詐取したとされる事件で、同市は11日までに、元同市職員吉葉仁一(よしばじんいち)被告(49)=詐欺罪で公判中=に約194万6千円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に起こした。市によると、証拠が固まったと判断した被害について提訴。引き続き内部調査を進め請求額を増額する可能性もあるという。

 訴状によると、吉葉被告は昨年9月8日、市幹部に対し、支払い義務のない給与について支払い義務があると誤認させて支出の決裁を受け、自身の預金口座に5人分の給与を振り込ませる損害を市に与えたとしている。吉葉被告は給与の支払い手続きに従事していた。

 市によると、市が派遣した職員の給与は派遣先が支払い義務を負うため、市に支払い義務はない。5人は市農業公社や市社会福祉協議会などへの派遣職員だったが、市も給与を支払った形になっていた。損害賠償の対象となった給与は同月15日支給分で、1人当たり約22万5千円~約46万6千円という。