「LGBTの理解者であってほしい」と呼び掛ける薬師代表理事=都内

LGBTの理解者でいるために今日からできること

「LGBTの理解者であってほしい」と呼び掛ける薬師代表理事=都内 LGBTの理解者でいるために今日からできること

 性的少数者(LGBT)の子どもへの対応や配慮が教育現場で求められている。先月、東京都内で開かれたNIE(教育に新聞を)教育フォーラム(日本新聞協会主催)でもテーマの一つとなった。トランスジェンダーの当事者で性的少数者支援に取り組む認定NPO法人ReBit(リビット)の薬師実芳(やくしみか)代表理事は、「性はアイデンティティーであり、人権。肯定されないと自尊心低下につながりやすい」と教職員らが多様な性について理解を深める重要性を訴えた。

 薬師さんは「そもそも性別って何だろう」と問い掛ける。性には「身体の性」だけでなく、「心の性(性自認)」「好きになる性(性的指向)」「表現する性」があるという。

 国内では「(LGBTは)13~20人に1人くらい」とされているが、「性の多様性は『13人に1人』ではなく『13人中13人』が持っている」と薬師さん。「誰もが自分らしい性の在り方で生きていけることが大切」と説く。

 そのためには周囲の理解や配慮が不可欠だ。自らの「無理した中学時代、死のうとした高校時代」の経験を紹介しながら「身近な大人に『あなたのままで大丈夫』と言ってほしかった」と振り返った。

 LGBTの子どもは教育現場でどんなことに困りやすいのか。

 薬師さんが挙げたのは「(LGBTが)いないことになっていること」。全ての子どもが性別に違和感がなく、異性が好きだという前提になっていることは「そうでない子にとって非常に疎外感が強い」と指摘する。

 制服などが男女別になっていることも、自らの性別に違和感がある子どもにとってはつらい。「分けなくても良いことは無理に分けない。分けないといけないことについては相談しやすい環境をつくることが大事」。LGBTが「笑いやいじめの対象になっている」場合は、「他の人権課題と同様に注意や対応をしてほしい」と求めた。

 「大人になって仕事をして幸せに生活する」といった自分の将来像が思い描きにくいことから、進学意欲の低下につながるケースもあるという。薬師さんは「キャリア教育の中でも多様な性について触れていく必要があるのではないか」と提案した。