ハクチョウの飛来地として知られる大田原市羽田(はんだ)の羽田沼で見られるハクチョウの数が大きく減少している。最盛期には200羽を超えるほどだったが、最近では一羽もいない時間帯も。国の天然記念物ミヤコタナゴの保護区への影響を避けるために始めた餌やりの自粛が背景にあり、周辺の農地などに分散したとみられる。戸惑う見物客も多く、関係者は頭を悩ませている。
「カモしかいない」
2月26日午前、羽田沼を訪れた芳賀町の夫婦はがくぜんとした様子。「ハクチョウの飛来地と聞いて来たのに」
一方、羽田沼から北東に約1キロ離れた麦畑。約120羽のハクチョウが新芽をついばんだり、のんびりと羽を休めたりしていた。
ハクチョウが分散するようになったのはここ数年。羽田沼には、最盛期は200羽を超えるハクチョウが集まっていたが、徐々に減少している。市観光協会は、見物目的の問い合わせに「ハクチョウが必ずしも沼にいるとは限りません」と言い添えている。