自然薯の里(小山)

 門に掲げられている看板には「身土不二」と大書した4文字。「身と土は一つ」という意味で、その土地で取れた食べ物こそ人に合うと訴える言葉だ。

 店主の生沼均さん(68)が有機無農薬野菜のレストランを開店したのは2006年。食の安全や農業に不安を抱いていたためという。

 使う野菜は年間通し約30種類。7割ほどを周囲の畑で自家栽培している。

 最初に出てきたのは摘み野菜のオードブル。アヤメカブ、赤芯大根など珍しい野菜もあり、素材の味を生かすうすい味付け。炊き野菜は、香りの強いゴボウやこんにゃくなどの煮付け。

 小皿のかんぴょうはチーズと生クリームで淡泊な味。繊維が感じられないほど柔らかいのは「漂白剤を使っていないためです」と生沼さん。メーンは焼き野菜とおやまぶた。市内産豚肉を湯通しして焼きさっぱりとした味わいだ。

 自然薯ももちろん自家栽培。とろろにすると古代米を使ったご飯とよく合う。デザートの付け合わせはゆうがおジャム、かんぴょうの赤ワイン煮と、県特産の食材が細かな所にも生かされている。

 どの品も野菜自体の味を堪能できる。嫌な苦味がなく、ちょうど良い苦味と甘味がある。生井さんは「旬の野菜のおいしさを再認識してほしい」と話している。