店名の「ブション」は、フランスの食の都・リヨンで「食堂」の意味という。
リヨンは古くから絹織物の生産が盛んな地域。かつて織物産業が栄えた足利と「共通点がある」と、オーナーシェフの福田雄一さん(44)。リヨンのように「気軽にフレンチを食べられる店を」と、昨年10月にオープンさせた。
人気のランチは「はるな鶏骨付もも肉のロースト」。肉質を軟らかくするため、飼料に梅酢を加えて育てられた群馬県のブランド鶏「はるなうめそだち」を使用している。
オーブンでじっくりと焼かれたもも肉。こんがりと焼き色の付いた皮にナイフを入れると、ジューシーな肉汁があふれる。肉には骨からしみ出したうまみが詰まり、口の中で弾むような食感だ。
ソースは、西洋ヨモギ入りのビネガーで漬けたピクルスやマスタード、自家製パンチェッタを加えたもの。付け合わせにパプリカライス、バジルのショートパスタなどが添えられている。
メーンのほかに前菜、パン、コーヒー、デザートが付く。福田さんは「リヨンでは食べることがとても大事にされている。おいしいものを食べて、有意義な時間を過ごしてもらえれば」。願いがこもったランチだ。