「梅にウグイス」という例えがあるように、春の野山にはウグイスの愛らしい姿と鳴き声がよく似合う。空高く舞い上がるヒバリも、野原に春を告げる代表格である。県内市町の多くがいずれかの鳥をシンボルに選んでいるのは、とりわけ親しみやすさがあるからだろう▼新庁舎での執務が始まった大田原市で新年度、「市の鳥」が制定される。木や花のシンボルは県内全市町で制定されているが、鳥については同市を含む5市で決まっていないという▼ちなみに合併前の旧黒羽町はウグイス、旧湯津上村はヒバリだったとか。市内にはハクチョウの飛来地や、ヤマセミの生息地などがあることも知られている。絞り込み作業は談論風発となるだろう▼「市民からはこれまでも市の鳥の要望があり、新元号となる節目の年に制定することにしました。郷土愛を育む契機になればいいですね」。市の担当者はこう期待する▼日本野鳥の会理事長の遠藤孝一(えんどうこういち)さんが先日の小紙「日曜論壇」で、身近な野鳥について書いている。日常生活で目にする機会が増えれば、ストレスや不安が減って心の健康につながる-。国際的な学術研究誌にこんな研究成果が発表されていたという▼間もなく、春本番。古里の自然を象徴する鳥を探しに野山を歩けば、鈍りきった身も心も力がみなぎるに違いない。