【麺ロード】蕎麦切り 稲おか(足利)

【麺ロード】蕎麦切り 稲おか(足利)

 料理の技術書を読みあさり、会員制交流サイト(SNS)で全国のそば店主と情報交換する。理系出身の店主稲岡剛志(いなおかたけし)さん(41)にとって、メニュー作りは「実験に近い」と話す。

 高校生のころ、実家が足利市内ですし店を営んでいた影響で調理師になることを決意する。しかし父親から「大学は出てほしい」と言われ、足利工業大工学部に進学。睡眠のメカニズムについて研究していた。

 卒業後、専門学校を経て東京都内のフランス料理店で働いたが「味覚に合わない」と地元に戻る。好きだったそば職人になろうと足利市内のそば店「喜八」で10年ほど修業し、2015年1月に創業した。

 メニュー数が多くない分、こだわりは強い。せいろは茨城県桜川市産、粗びきは北海道音威子府(おといねっぷ)村産とそば粉を使い分け、季節で最適な品種を選ぶ。しょうゆは長野県から取り寄せ、みりんや砂糖も特製品を使用。「妻に『元が取れるのか』と怒られる」と笑う。

 季節限定の「柚子(ゆず)切りとおせいろの二色盛り」(税込み800円)は、ゆず皮を練り込んだ更科そばと、そば粉とつなぎの割合が10対2の「外二そば」が味わえる。ゆずの爽やかな香りと、歯応えの良い麺が特徴だ。

 「お客さんにいいものを出したい。趣味は仕事です」と充実感をにじませた。

 ◆メモ 足利市朝倉町2の11の28。午前11時半~午後2時半、同5時半~8時半。月曜夜と火曜が定休。14日からは営業時間を変更し、平日午前11時半~午後5時、土・日・祝日午前11時半~午後7時。火曜定休。(問)0284・73・2323。