学校の教室にあめの包装紙が落ちていたら、担任はどう対応するのか-。素人目だと、「こんなものを持ってきてはいけない」と、その場で諭せば済む問題のように思える▼だが、県内の学校で最近あったケースはちょっと違った。落とし主が特定できるまで徹底的に調べ、二度と繰り返さないよう反省文も書かせたという。時間も手間も、かなり費やしたと聞く▼先日、宇都宮市内で県教職員協議会の働き方改革に関するシンポジウムがあり、この問題が話題に上った。県教委は時間外勤務が月80時間を超える教職員を2021年度までになくす目標を掲げるが、実現には自らの意識改革が不可欠との指摘がある▼「蟻(あり)の一穴」の例え通り、ささいなことでも放っておけば学校を揺るがす事態になる恐れがある。そんな考えもあるだろうが、今回は少しばかり過剰な対応ではなかったのか▼シンポジウムではこんな意見も出された。「先生は物事を黒か白かだけで見がちだが、灰色の部分も必要ではないか」。会場の教員からは「業務の当たり前を見直したい」「優先順位を考えたい」といった声も相次いだ▼改革を結実させるには、さらに活発な議論が必要だろう。単なる労働条件の話にとどまらず、家庭や地域とも一体となり、より理にかなった教育の在り方を考える好機となればいい。