【よるのみや】熟成刺し身に舌鼓 克 katsu

【よるのみや】熟成刺し身に舌鼓 克 katsu

 引き戸を開けると、モノトーン調のシンプルな店内。ジャズのBGMが心地いい。

 メニューは和洋約40種あるが、魚がうまいと聞いている。そこで刺し身の5種盛り(税別2000円)と思ったが「飲むなら、克の膳ですよ」と包丁を振るう渋谷信次(しぶやしんじ)さん(40)。刺し身、小鍋など5品とワンドリンクで同3000円と聞き、つい所望した。

 供されたモダンな膳で目を引いたのは、創作お造り。全てひと手間掛けており、マグロの赤身だけでも、本わさびのしょうゆ漬け、ニラじょうゆ、梅水晶(サメ軟骨の梅肉あえ)と味わいが違う。

 渋谷さんは「一番おいしいときに提供したいから、身を熟成させています」。10日目だというブリも、確かにうまみの凝縮感を感じる。そして日本酒に合うよう、味付けも濃くしているのだとか。ニクい。記者も炭酸水を追加した。

 「おいしいものなら何でも」と言うように、白子ポン酢やローストビーフなど、並ぶのはいずれも味わい深い酒肴(しゅこう)。本当はちびちびやりたかったが、カキとアオサ、大根の滋味豊かな小鍋で締めた。

 アルコールは日本酒中心だが、小粋な雰囲気だけに女性客もちらほら。女子会を楽しむ人が多いのもうなずける。

 「リクエストにも、なるべく応えますよ」と渋谷さん。気取らず杯を重ねられる、楽しいひとときになりそうだ。