【麺ロード】野村屋本店(佐野)

【麺ロード】野村屋本店(佐野)

 佐野市の中心地に店を構える創業明治40年の老舗の手打ちそば処。旧葛生町仙波地区に伝わる郷土食「耳うどん」を提供する。

 店主野村信行(のむらのぶゆき)さん(58)は4代目。妻の寿子(ひさこ)さん(56)らと共に店を切り盛りする。耳うどんは3代目の博昭(ひろあき)さん(81)が50年ほど前、地元のお年寄りから手ほどきを受け、作り始めた。

 正月三が日、悪魔の耳になぞらえて「耳うどん」を食べる奇習。耳を食べてしまえば家の話を聞かれず、その年は無事に過ごせる、などと言われる。また、太いので保存が利き、女性の手間が省けるとも。

 信行さんは、これらの食文化の伝統への思いも込めて作る。シンプルな先代の味を独自にアレンジ。生地は3、4種類の小麦粉をブレンドし、じっくりと寝かせる。マッチ箱ほどの大きさにカットし、くるっと丸めて耳の形に成形。1人前15個を一個一個丁寧に作る手間の掛かる作業だ。

 シンプルな耳うどんは780円(税込み)。信行さんの代になり、けんちん汁の田舎風(850円)やカレー煮込み(900円)などメニューを増やした。大根そばとの名物セット(1100円)も好評だ。

 現在、次男迪也(ふみや)さん(28)が5代目を継ぐべく他店で修業中。「5代目が私と同じ味になるかは分からないが、この伝統料理を後世に残したい」と、信行さん。将来が楽しみだ。

 ◆メモ 佐野市相生町2819。平日は午前11時~午後7時15分(第4水曜は午後2時半まで)、土日祝日は午前11時~午後7時半。木曜定休(祝日は営業)。(問)0283・22・0396。