【よるのみや】 職人技光る旬の和食 わいん

【よるのみや】 職人技光る旬の和食 わいん

 地下へ通じる階段をゆっくりと下りると、隠れ家のような空間が広がる。人々が行き交うJR宇都宮駅のすぐ近くにありながら、周囲の喧騒(けんそう)がうそのようだ。

 ところで、日本料理なのに、どうしてわいん? 「和食でお酒を飲んでほしいから“和飲”なんです」と店主の中村和人(なかむらかずと)さん(34)。なるほど、ワインは常時30種、日本酒の品ぞろえも豊富で胸が高鳴った。

 昼も夜も予約限定。夜は2800円、5000円、7000円、1万円(税別)のコースのみだが、この日は取材用に特別にお薦めを作っていただいた。

 まずは、シメサバのあぶり。酸味のきいた爽やかなジュレの上に上品に盛られ、目にも美しい。頬張ると芳醇(ほうじゅん)な香りとうま味が一気に広がった。あぁ幸せ。

 塩でいただく煮穴子の握りは、ふわりと優しい食感。あん肝の薫製はねっとりとして高級なチーズのよう。ワインが進む進む。

 カウンターを含めて15席のこぢんまりとした店内で、旬の和食を味わう夜。丁寧な手仕事に心を奪われ、しばらく幸福感に包まれていた。