【麺ロード】そば処松(佐野)

【麺ロード】そば処松(佐野)

 旧田沼町の中心から約3キロ、県道から細い道を入った田園地帯に店を構える。樹齢約300年といわれる松が目印で、民家を改装して造られた。

 オーナーは山本圭之(やまもとけいし)さん(39)。父親で麺職人の茂(しげる)さん(66)が調理を担う。茂さんが昨年1月、会社を定年退職したのを機にオープンした。

 茂さんは39歳ごろからそば打ちを習い、直売所に卸すほどに。開店の7年前からは足利市の有名店「蕎遊庵(きょうゆうあん)」に毎月通い腕を磨いた。

 元々凝り性で、若い時に習った津軽三味線はプロ級の腕前。そばも原料、製粉、そば打ち、どの分野も妥協を許さない。一番のこだわりは製粉。毎日玄そばを抜き実にして2種類の石臼を使い、ブレンドする。のし棒を使わない「山本流真素手打ちそば」(税込み980円)は1日4食限定の十割そば。2日前までに2食以上での予約が必要となる特別メニューだ。

 人気は二八と変わりそばの合いもりそば(同880円)。変わりそばは、オレンジ色が鮮やかな唐辛子入りのとうがらし切りや、春の桜、秋のゆずなど季節ごとに楽しめる。桜えびのかきあげ(同320円)も売れ筋だ。

 茂さんは、そばの世界を「迷宮」と表現。「とことんやらなきゃ気が済まない。試行錯誤の連続で、気に入ったものは年に1回もない」という。究極のそばを作って、1種類で勝負するのが夢だ。

 ◆メモ 佐野市戸室町555。午前11時半~午後2時。月、火曜定休(祝祭日は営業)。(問)0283・62・2810。