【麺ロード】福寿屋(栃木)

【麺ロード】福寿屋(栃木)

 栃木市が誇るそばどころの出流(いづる)地区は出流山満願寺の門前町。江戸時代、参拝客向けに旅館で提供されたそばが評判を呼んだ。現在は7店舗がそばを出す。県内はもとより、首都圏各地から観光客が足を運ぶ。

 このうち、満願寺に最も近いのが創業から半世紀以上の時を重ねる福寿屋だ。同市内で別のそば店を営んでいた店主の石川賢一(いしかわけんいち)さん(45)が8年ほど前に伯母の後を継いだ。

 そば粉は同市都賀地域や佐野市仙波地区から仕入れる。口に含んだときと、かみしめたときに違った甘みが感じられる。香りの強さも特徴で「おいしいそばは、すすった時に口の中で広がった香りで次の一口に手が伸びる」と強調。つゆに使うだしは本がつおの薄削りと北海道産昆布のみを使う。

 盆ざるに盛られた看板メニュー「五合打ち」(税込み1650円)は盛りそば3枚に相当する量で、中には1人で食べ切る人も。グループには「一升打ち」(同3300円)が人気だ。

 そばのお供には天ぷら盛り合わせ(同750円)がお薦め。さっぱりした味わいが特徴の大豆油を使用。「主役のそばを存分に味わってほしい」との思いからで、天ぷら粉には卵を使わない徹底ぶりだ。

 満願寺や地元そば店などと共に出流観光会の一員として活動する石川さん。「地域全体で盛り上がるためにも、若い人たちにもっと足を運んでほしい」と願っている。

 ◇メモ 栃木市出流町282。午前11時~午後4時半。火曜定休。(問)0282・31・0570。