【麺ロード】蕎麦切りわたなべ(野木)

【麺ロード】蕎麦切りわたなべ(野木)

 農協職員からそば職人になった茨城県筑西市出身の店主渡辺英男(わたなべひでお)さん(48)。20代の頃、こう疑問に思っていたという。「なぜ茨城のソバの実はおいしいのに、そばにするとおいしくないのだろう」

 東京都内にある著名なそば職人高橋邦弘(たかはしくにひろ)さんの店のそばを食べて衝撃を受けた。「こんなおいしいそばを食べたことがない」。23歳だった1991年に旧JA下館を退職し、9年かけて開店に向けて準備。2000年に妻治美(はるみ)さん(48)の出身地の野木町に店を構えた。

 看板メニューは「生粉(きこ)打ち天せいろ」(税込み2千円)。茨城県の桜川産と筑西産の厳選されたソバの実を時季によって使い分けて打つ麺は、かみ応えのある細打ちだ。

 一番のこだわりはそばつゆ。鹿児島近海で一本釣りしたカツオを用いた「カツオ本枯れぶし」を使う。雑味がなく、「濃い口でしっかりとした味わい」がそばの香りを引き立てる。

 天ぷらは季節ごとの旬の野菜や市場で仕入れた活(いき)車エビが並ぶ。卵と薄力粉を絡めて揚げ、素材の味を引き出す。

 「食は人の健康に大きく関わる。小さい頃からしっかりとした食文化を根付かせていきたい」。食べ物を扱う職人としてのプライドをのぞかせた。

 ◇メモ 野木町友沼6509の17。午前11時~午後7時(火曜は午後2時半まで)。水曜定休。(問)0280・57・1825。