おかわり自由のご飯を食べる箸が止まらない。育ち盛りの男子中高生や、額に汗するサラリーマンが夢中で頬張る定食の王道だ。
両親と経営する双子の上野貴宏(うえのたかひろ)さん(41)、顕宏(あきひろ)さん(41)は「おなかいっぱいまで食べてほしい」と声をそろえる。
衣はサクサク、中はふわっと。かむたびに肉汁と、うまみが口に広がる。1982年に創業した前身の鬼怒川食堂時代から変わらないメニューで、今でも人気は一、二を争う。
作り方は至ってシンプル。鶏肉をしょうゆやすりおろしたニンニク、ショウガなどで味付けし、かたくり粉とあえて1日寝かせる。注文を受けてから油でじっくり揚げ、出来たてを提供する。
町民有志が開発を進める「かみのかわ黒チャーハン」(860円)を町内で初めてメニューに取り入れ、ひき肉の代わりに一口大に刻んだ、この空揚げを混ぜ込んだ。
上野さん兄弟は「町を盛り上げるためにも、この味を守り伝えていきたい」。腕によりをかけ、腹ぺこの来店を心待ちにしている。
◇メモ 空揚げ定食は840円(税込み)▽上三川町上三川4388の5▽(問)0285・56・8509▽営業時間 午前11時~午後2時、同5~9時▽定休日 水曜