【続 北の味めぐり】薬膳十味唐がらし 本家伴久(日光)

【続 北の味めぐり】薬膳十味唐がらし 本家伴久(日光)

 料理に少量を振りかけると、さんしょうの香りがあふれ、味もきりりと際立つ。薬膳効果の高い陳皮(ミカンの皮)やシソの葉と種、麻の実など10種を調合した「薬膳十味(じゅうみ)唐がらし」(1缶22グラム、税込み870円)。控えめな唐辛子の辛さとともに、それぞれの素材がバランスよくブレンドされて醸し出す香味は、創業350年の同旅館で受け継がれた秘伝の味だ。

 宿泊客の食事に提供し始めたのが約40年前。東京都内から嫁いだ大女将(おかみ)伴玉枝(ばんたまえ)さん(81)が切り盛りしていた当時、湯西川産のさんしょうや、えごまを自分ですりつぶし振る舞った。その技を引き継いだのが、長女の福島久枝(ふくしまひさえ)さん(56)だ。

 「湯治で連泊するお客さんが多く、『料理の味にアクセントを』と母が考案したんです」。口コミで評判が広がり、商品化を検討。試行錯誤の末に福島さんがレシピを完成させ、2003年から販売を始めた。

 年間生産量は約1万5千缶。旅館内や県内外の取引先のほか、インターネットでも購入できる。「中華の著名なシェフや都内の高級日本料理店でも使っていただいています」。湯西川で生まれた香辛料の活躍の場は、さらに広がりそうだ。

 ◆メモ 日光市湯西川749。午前8時~午後8時。(問)0288・98・0011。