【続・北の味めぐり】日光鱒寿 日光鱒寿本舗(日光)

【続・北の味めぐり】日光鱒寿 日光鱒寿本舗(日光)

 竹皮を開き丁寧に包まれた4枚の笹(ささ)をめくると、淡いピンク色のニジマスの切り身が目に飛び込む。厳選した本県産コシヒカリを使った酢飯の間に挟むのは、かつお節や白しょうゆで煮込んだ地元特産の生湯波。塩と米酢で締めた肉厚の切り身から順に上質なうま味と食感を楽しむと、口全体が酸味や香味にあふれ食欲をそそる。

 創業は1990年。東京都内で音楽事務所の社長を務めていた田村公一(たむらこういち)さん(60)が一大決心し、妻淳子(じゅんこ)さん(57)と立ち上げた。「夫は所属歌手の売り込みなどで全国各地を歩き、その土地のグルメを満喫する食い道楽だったんです」。中禅寺湖産のニジマスのおいしさにほれ込み、「誰にも負けない鱒(ます)寿(ず)しを」と家族で日光に移った。

 年間を通して安定供給するため、ニジマスは当初の中禅寺湖産からノルウェー産に切り替えた。従業員5人と毎日手作りで製造し、1日最大200本しかできない。販売先も東武日光駅構内や日光街道ニコニコ本陣商業施設に限っている。

 価格は1300円(税込み)。消費税分を除く定価1200円は、販売を始めた25年前から変わらない。「食材選びや味付け、製法も創業時からずっと一貫しています」と淳子さん。雑誌社の全国弁当グランプリ(マス部門)でトップに輝いたこともある自信作のこだわりと心意気を感じた。

 ◆メモ 日光市大室1830の150。無休。(問)0288・26・6550(工場のため製造のみ。販売は東武日光駅や日光街道ニコニコ本陣など)。