【ご当地手土産】あその香り(佐野)

 素朴で食べ飽きない手焼きせんべいだ。ご主人の蓼沼幸雄さん(67)は「手間は掛かるけど、米本来の味を楽しんでほしいから決して手は抜かない」と胸を張る。父親が創業65年の老舗。妻茂子さん(65)と2人、昔ながらの製法でせんべい作りを続けている。

 近くの秋山川が万葉集で「安蘇の河原」と歌われたことから名付けた看板商品が、個別包装の「あその香り」。しょうゆ、青のり、ごま、のりつけ、抹茶など10種類の味がある。しょうゆを煮詰めた秘伝のたれを一枚一枚塗って仕上げる「はけつけ」は、他の商品よりやや高い値付けだが香ばしさは格別で、1977年の全国菓子大博覧会で金賞に輝いた逸品だ。

 「味の8割は生地で決まる」と蓼沼さん。国産のうるち米に地元農家産のコシヒカリをブレンドし、約1週間寝かせて片火の窯で丁寧に焼く。味付けは控えめ。「大手の商品は濃すぎて素材の味が分からない。うちはうすくちだから、ごまかしがきかない」という。

 贈答用は1500円、2000円の箱詰めが売れ筋。蓼沼さんは「好みに応じて、中身を自由に選んでもらえるのが喜ばれているのでは」と笑顔で話す。

 ◇メモ 蓼沼米菓▽佐野市中町1317 電話0283・85・2529▽午前9時~午後7時 日曜定休▽価格 1枚37~64円。はけつけは54円