【北の味めぐり】鹿カットステーキ定食 焼肉山道(日光)

 熱々のステーキ用鉄板に盛られたもやしの上に、一口サイズに切られた焼きたてのシカ肉が載る。合わせて5枚。特有の臭みや筋、脂身がなく、肉質は思ったより柔らかい。甘みと酸味がほどよいオリジナルの「秘伝のタレ」との相性が抜群にいい。ライスとみそ汁やけんちん汁の汁物、煮物などが付いた「鹿カットステーキ定食」(1300円)はリピーターが絶えない看板メニューだ。

 ドライブインの調理師だった店主の高山紅紀さん(67)と妻政子さん(69)が開業したのは1989年。「湯西川はおそば屋さんが多く、何か変わった店を出したい」と焼き肉を選んだ。バブル経済崩壊後に客足が伸び悩む中、地域性と「山の幸」のシカに目を付けて考案。98年ごろからメニューに加えた。

 シカ肉は、開店時から取引する県内の肉専門店から仕入れるニホンジカ。単品の「鹿刺し」(800円)で提供する上質の肉を定食にも使う。自家製のタレはしょうゆやレモン、みりんなどのほかに、すりおろした野菜や果物を一緒に煮込んで仕上げる。子どもでも味わえるようにと辛さは控えてあるが、肉のうま味を引き立て食欲をそそる。

 ことしは24日から始まる湯西川温泉の「かまくら祭」。県内外から訪れる観光客らにもお薦めの一品だ。