【この店この逸品】寄せ豆腐 あらた家(下野)

 おたまですくったままの、丸みある寄せ豆腐がパックに収まる。開けると広がる濃厚な香りにそそられ、しょうゆなどはかけずそのまま口に運びたくなった。

 店主の新谷信明さん(55)は「大豆本来の豆の味が『ドン』と来る」と特徴を語る。凝縮した味わいの木綿豆腐。優しい味の絹豆腐とは違う良さがこの寄せ豆腐にはあるのだという。

 手作りと国産の原料にこだわる。大豆はおいしいと思うものを時期ごとに各地から仕入れ、冬季のにがりは石川県の能登産と伊豆大島(東京都大島町)産を使い分ける。来春からは上三川町産有機栽培大豆も取り入れるという。

 「季節によって豆腐の硬さを調整する」と、味のためには手間を惜しまない。午前5時から行う仕込みは前日から水につけた豆をすり、煮る。煮る際に出る泡は消泡剤を使わず手で取り除き、にがりを打ち込む。もちろん仕上げも手寄せだ。

 店は開店から1年半。妻順子さん(49)の実家が群馬県で豆腐屋を営んでいた縁から、脱サラし豆腐界に飛び込んだ。地元ではじわりと人気が広がっている。

 ▽メモ 「寄せ豆腐」は1パック302円(税込み)▽下野市駅東1の10の19▽電話0285・44・1028▽営業時間 午前9時~午後6時(商品がなくなり次第閉店)▽定休日 火曜(月曜不定休)