【北の味めぐり】利の食パン 食パン専門店「利」(日光)

 芳醇な小麦の香りがふわっと口の中に広がる。しっかりした表面の皮と、かみ応えも十分なもっちり感。そこに上品な甘みが加わる。一番人気の「利の食パン」(1・5斤、900円・税込み)。店主の地明真希さんが独学でたどり着いた「理想の食パン」を求め、遠方から多くのファンが駆け付けるのもうなずける。

 素材は北海道産の高品質小麦粉に長野県の天然水、沖縄県産の塩、甜菜糖、そして発酵バター。各地から取り寄せたり、実際に現地に足を運んだりして一つ一つ吟味し厳選した材料ばかりだ。「レシピができるまで、夜中に泣きながら試作品を捨てたことも何度かあった」と苦笑する。

 開店のきっかけは、4年前に父利男さんが作業事故で急死したこと。「私はもともと料理好きでパンが大好き。職人だった父と同じように一つのことを究めようと決意したんです」。実家近くに構えた店の名前は父の名から取った。

 昨年5月のオープン以来、営業は土曜日の週1回。平日は宇都宮市内の幼稚園で教諭を務める。「土曜の未明から朝にかけてパンを焼き上げます。前夜から準備を始め、寝るのは1時間ほど。タフかも知れませんね」と白い歯をみせた。

 ◆メモ 日光市野口692の2。土曜午前9時~完売次第終了。別の山型パンの商品を含め、電話予約(月~水の午前6時半~同7時半、午後6時~同8時)のほか店頭販売も行う。電話090・7801・7383