太平山の3大名物と言えば、だんご、焼き鳥、卵焼き。神社に奉納された米、鶏を調理したのがルーツという。関東平野を一望できる謙信平などの茶店で提供されている。
その「太平だんご」をきねで二度づきしているのは「いづみ家」だけ。約30年前から続ける製法だ。店主の大豆生田義雄さん(77)は「2度づきだと固くならない。家に持ち帰ってもおいしく食べてもらいたい」と説明。柔らかく滑らかな食感のだんごと甘さ控えめのあんが絡み合い、絶妙な味わいを醸し出す。
土産用はだんごとあんが別に包まれる。「一緒にすると水っぽくなり味が落ちる」とこだわるからだ。
原料は値上がりしているが、だんごだけは価格を据え置く。「わざわざ太平山まで来てくれるからね」と大豆生田さん。あくまでお客のことを思いやる。
これからは山が色とりどりに染まる季節。紅葉を眺めながらの一服も楽しそうだ。
▽メモ いづみ家▽栃木市平井町太平山公園地6号 電話0282・22・3752▽午前10時~午後4時(夏季は午後5時) 火曜定休(祭り期間中は無休)▽価格 小600円、中1000円、大2000円