【この店この逸品】チャット 宮っ子になじみの味 うさぎや(宇都宮)

 1915(大正4)年創業の老舗和菓子店が約50年前に世に出した洋風菓子。宮っ子になじみのロングセラーだ。

 一昨年4代目社長に就いた桧山昌彦さん(44)の父、先代の幸雄さん(83)が考案、ヒット商品に育てた。幸雄さんは「焼き菓子なので、しっとり感を出すのに苦心した」と振り返る。

 白練りあん、小麦粉、バター、砂糖が主原料で、口の中でふわっとほぐれるような食感と、広がるバターの香り、優しい甘さは、いつも変わらない味わいだ。

 発売当時は高度成長期で、世相も生活様式も大きく変化。バターやミルクを使った新しい味覚の菓子作りが試みられた時代だった。すぐにチャットの風味は受け入れられ、それまで定番だった「うさぎもなか」と「柚饅頭」の二枚看板をしのぐ、大きな柱の商品に育った。「チャット(おしゃべり)」のネーミングは詩人書家の相田みつをさんが手掛けている。

 昌彦さんは「スーパーではなく、季節の菓子を専門店で買ってもらえる努力をしないといけない」と、のれんを受け継ぐ気概を語っている。