トマトのまろやかさに包まれた肉がすっと喉を通り、野菜の甘みが口いっぱいに広がる。牛の胃袋「トリッパ」を使ったトマト煮込みはイタリア版“モツ煮”。肉は柔らかく苦みもないのでモツが苦手という人にもおすすめだ。
トリッパを使った料理を楽しめる店は県内でも数えるほど。「自分が好きな料理」と都内やイタリアで料理を学んだシェフの伊藤美琴さん(31)が独自に味付けし、店のおすすめメニューに据えている。
独特の臭いのある肉だけに、「下処理で味が変わる」と伊藤さん。まずは大鍋でゆでて香草や酢などで丹念に仕込む。トマトをメーンにタマネギ、ニンジン、セロリなどとじっくり煮込み、野菜の甘さで味を調えていくのだという。
味のアクセントはパルミジャーノチーズと黒こしょう。添えられた自家製フォカッチャとの相性も抜群。数人で取り分ける一品として頼むのもよさそうだ。
ほかにも、手作りジェラートや接客の丁寧なスタッフと、店の魅力は多彩。ついつい、長居したくなってしまった。
▽メモ 「トリッパのトマト煮込み」は900円▽下野市本吉田937の1▽電話0285・39・7708▽営業時間 午前11時30分~午後11時(日曜は午後2時ラストオーダー)▽定休日 月曜(祝日の場合火曜)