【この店この逸品】大福専門店の職人の味「豆大福」 太田堂(鹿沼)

 扱う品はただ一つ、「豆大福」のみ。こだわりを感じさせる大福専門店だ。

 かぶりつくと、なめらかな餅の中からぎっしりと詰まった粒あんが飛び込んでくる。あんには、絶妙な塩味が効いている。一口かめば、餅に練り込まれた赤エンドウ豆の風味が口の中に広がる。

 祖父の代から約110年続く和菓子店の3代目店主、太田勝美さん(80)は、上生菓子職人として東京の老舗で修業を積んだ。

 40歳で店を継いだころ、市内に大型店が進出すると聞き、商品を絞ることを決意。あえて大衆的なお茶菓子の大福に目を付けた。

 「それまで大福なんて見向きもしなかった」と当時を振り返る。しかし大福に懸けた太田さんは一心に研究を続けた。いまだかつて、自分の大福に満足したことはないという。

 もち米は新潟産、小豆と赤エンドウ豆は北海道産のものにこだわる。無添加のため、気温や時間によって餅の柔らかさは変わりやすい。でも「どんな季節でも、朝でも夕方でも、同じものを提供してお客さんにうまいと思ってもらいたい」。大福には、職人としての執念も込められている。

 ▽メモ 豆大福は1個130円▽鹿沼市三幸町1489▽電話0289・62・3951▽営業時間 午前9時~売り切れまで▽定休日 不定休