【北の味めぐり】「汁ばんだい餅」日光・湯西川水の郷

【北の味めぐり】「汁ばんだい餅」日光・湯西川水の郷

 平家落人の里として知られる湯西川温泉郷。この地域の一般家庭に古くから伝わる「汁ばんだい餅」は、正月やお盆、祝い事に今でも欠かせない郷土料理の一つだ。うるち米を使った硬めの食感の餅を、魚や野菜の具材と和風だしで仕上げた汁がバランスよく引き立てる。箸が進むたびに、古里の温かさと懐かしさが口中に広がるようだ。

 「具材や作り方は家庭によってさまざま。ここではかつお節をふんだんに使った純和風だしにこだわりました」。観光施設「湯西川水の郷」の大島積社長(64)は食堂で出す自慢の一品を前に笑顔をみせる。

 サバの水煮と手でほぐした木綿豆腐を油で十分に炒め、鬼おろしでおろした大根とにんじんを加える。そこに2種類のかつお節とだし昆布、シメジで作っただし汁を入れ、みそとしょうゆの味付けで仕上げる。板の台上で米をたたいて作ったことが名称の由来というばんだい餅。餅つき器で作った直径6~7センチ大の円盤状の餅は3個入りでボリュームも満点だ。

 「汁ばんだい餅と手打ちそばのセットが1番人気」と大島社長。社長自身が玄そばを粉にして打ったそばは風味と喉ごしがよく、つゆもばんだい餅のだし汁を使った自家製だ。

 ◆メモ 日光市湯西川473−1。汁ばんだい餅は単品600円、もりそばセット1100円。食堂は午前11時~午後3時。11月末まで無休。電話0288・98・0260。