【北の味めぐり】「串ゆば」日光湯波ふじや

【北の味めぐり】「串ゆば」日光湯波ふじや

 創業は明治元(1868)年。数百年の歴史を誇る「日光ゆば」の伝統を受け継ぐ製造・販売店だ。

 京都の「湯葉」に対し、日光は「湯波」と表記する。製法も異なり、ゆばの膜の中央に串を入れ、二つ折りにして引き上げるのが日光の流儀。2枚重ねとなり、ボリューム感がある。ちなみに、京都は端を引き上げるので1枚となる。

 日光老舗名店会の代表幹事も務める5代目の斎藤一敬社長(52)は「機械化はせず、昔ながらの製法にこだわっている。手作りの方がおいしい」と力説する。

 煮物用の「揚巻湯波」が主力だが、おすすめは「串湯波」だという。高度成長期、調理をせずに気軽に食べられる商品として、斎藤社長の母紀子さんが考案した。

 湯波を水分が含んだ状態で縦6センチ、横2・5センチにカット。自家製の甘みそを包み、串に刺して油で揚げる。その道20年の女性従業員が、製造を一手に引き受けている。お茶請けとしてはもちろん、酒のつまみにも最適だ。

 時代錯誤ともいえる製法をかたくなに守り続ける「日光人」としての矜持。それこそが、日光ゆばの“隠し味”なのかもしれない。

 ◆メモ 日光市下鉢石町809。串湯波10本入り777円、17本入り1155円。午前8時30分~午後5時30分。週1回不定休。電話0288・54・0097