【北の味めぐり】「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」大田原・菓子づくり 松月

【北の味めぐり】「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」大田原・菓子づくり 松月

 皮が薄く餡の香り豊かな上品な和菓子。長年にわたって地元に親しまれているまんじゅうには、餡だけでなく店主、千本博美社長(54)のこだわりがたっぷり詰まっている。

 まんじゅうは通常、皮に小麦粉を使うが、薯蕷饅頭にはその名の通り山芋を使い、砂糖と上用粉で仕上げる。これによってふわっとした優しい食感が生まれ、時間がたっても硬くならずおいしさが保たれる。

 菓子店の6~7割が製餡所の餡を使っているとされる中、機械化せずに手間をかけ、完全手作りの自家製餡を貫く。「北海道の小豆がおいしいと言われるが、風土に合った地元のものを使うのが一番おいしい」と、市内産の小豆を使っている。

 1958年創業。高校卒業後、製菓学校に2年間通い、東京の和菓子店で3年間修行を積んだ。「和菓子店で学んだ餡を使って薯蕷饅頭を作りたい」と30年前から販売を始めた。今でも餡が出来上がる時に立ちこめる香りを嗅ぐと「幸せだなあ」と感じるという。

 「軒先で何げなく出てくる一品に使ってもらうことが理想。お客さまに寄り添うような菓子を作っていきたい」

 ◆メモ 大田原市佐久山2の505の1。定価1個84円(10個買うと1個サービス)。午前7時~午後7時。水曜定休。電話0287・28・0204。