【北の味めぐり】「酒ケーキ」日光・片山酒造

【北の味めぐり】「酒ケーキ」日光・片山酒造

 芳醇な米の香りが漂う地酒「原酒柏盛」をたっぷり染みこませたスポンジケーキ。口に運ぶとしっとりとした日本酒の甘みが瞬く間に広がる。1日に約2千個を市内外で販売し、「酒ケーキ」を目当てに来店する観光客も増えてきたという。

 創業は1880年。6代目の現社長片山貴之さん(45)の父で先代の故昌邦さんが約25年前に考案した。きっかけは、アルコールが飲めない体質だった昌邦さんが「自分と同じような人にも提供できる商品を作ろう」と考えたこと。市内の菓子店「田月堂」に協力を求め開発に取り組んだ。

 しかし地酒のシロップがケーキになじまず作業は難航。砂糖やコニャックを組み合わせたシロップを仕上げるまでに約1年を費やしたという。

 販売を始めると口コミで人気商品になり、売り上げも順調に推移。ところが2002年、昌邦さんが急死。33歳の若さで貴之さんが社長に就任した。

 「父は『酒ケーキを日光の名産にしたい』と言っていた。この遺志をしっかり受け継いでいきたい」

 ◆メモ 日光市瀬川146の2。定価1個1050円。午前8時~午後6時。無休。電話0288・21・0039。