鍵を差し込まずにドアの解錠やエンジンを始動できる電子キー(スマートキー)の電波を悪用した「リレーアタック」の可能性がある自動車盗被害が県内でも発生していることが5日、県警生活安全企画課への取材で分かった。昨年1年間に被害に遭った高級車のランドクルーザーやレクサス計60台の大半がリレーアタックによる犯行とみられる。キーの電波が漏れないようにすることで被害を防止できるため、同課は「電波の漏出を防ぐ専用のケースや金属製の缶などに電子キーを保管してほしい」と呼び掛けている。

 同課によると、電子キーは車側から出る微弱な電波を認識すると、キーが車側にセキュリティー情報を送信、車側と照合すればドアの解錠やエンジンが始動する仕組みだ。通常、電波が届く範囲は車側が約1メートル、キー側は約10メートルのため、車から数メートル離れるとドアの解錠などはできない。

 しかし犯行グループは特殊な機器を使って車やスマートキーから発する微弱電波を中継。キーが車の近くにあると認識させることで、わずか数秒でドアの解錠とエンジンの始動が可能となる。電波を中継することから「リレーアタック」と呼ばれている。

 同課によると、県内で昨年1年間に発生した乗用車の自動車盗は小山市、宇都宮市を中心に188台(暫定値)。うち、ランドクルーザーとレクサスの大半が電子キーを使う年式の新しい車種だった。駐車場が一般住宅の敷地内で、物音に気付かなかったケースが多かったことから「リレーアタック」の可能性が高いという。

 最新型のプリウスやクラウンも被害に遭っており、同課は「『セキュリティーが最新だから安全』と油断しないで防犯対策をしてほしい」と強調。さらに「センサーライトの設置なども有効」としている。

 電子キーを保管する専用ケースを扱っている宇都宮市平出町のカー用品店「オートアールズ宇都宮バイパス店」ではケースを千円ほどで販売。昨年末ごろから売れ行きが好調で品薄状態が続いているという。