バックスのホーム開幕戦で選手に力強い声援を送るファン。多くの人に支えられ、チームは創設20周年の節目を迎えた=昨年9月8日、日光霧降アイスアリーナ

 昨年12月。日本製紙の廃部決定の一報に衝撃が走った。69年の歴史を誇る強豪実業団の廃部により、アジアリーグの国内チームはわずか3に。「企業チームではいつでも起きうること」。バックスの土田英二(つちだひでじ)チームディレクター(TD)の言葉に危機感がにじんだ。

 1999年に廃部した古河電工を引き継ぎ、クラブチームとして再出発したバックス。活動資金の不足など消滅の危機に直面するたび、ファンや関係者の努力で乗り越えてきた。現在は200社を超えるスポンサーに支えられ、地域に愛されるチームに成長。今季も新規スポンサーは増えた。

 2010年の吉本興業グループとの業務提携後は興行をより重視し、大型ビジョンや音響、照明で会場を盛り上げる演出を強化。昨季はプレーオフやジャパンカップも含め約3万3千人を動員し、過去最高を更新。さらに今季はホーム戦1試合平均観客数が1344人と、前年の約1320人を上回った。

 プロモーションの一環として、今季は試験的に試合の無料動画配信を開始。視聴者数は1試合約1万人と予想以上の反響だった。土田TDは「集客につながるデータもある。まずは多くの人に見てもらうことが先決だった」と土田TD。将来的にはDAZN(ダ・ゾーン)のような有料配信サービスを活用した収益構造とするのが理想だが、リーグの放映権集約などクリアすべき問題は残っている。