あの日からもうすぐ1年がたつ。

 昨年3月27日、那須町で大田原高の生徒と教員計8人が死亡した雪崩事故が起きた。なぜ事故は起きたのか、二度と同様の事故を起こさないために必要なことは何か−。答えに近づこうと、取材を続けている。

 あるご遺族とは度々お会いし、話を聞かせてもらっている。息子の死という過酷な現実と向き合い、事故の風化防止、再発防止を強く訴える姿にいつも胸が熱くなる。同時に、その思いに報いる記事を書かなくては、と使命感に駆られる。

 「一番いろいろ話しているのは、新聞記者さんかもしれない」。先日、そのご遺族の言葉にはっとした。事故のご遺族は皆、消えることのない悲しみを背負って生きている。しかし、普段はそれを誰にも吐露できない。職場でも、気を使って親類にも、伝えられないという。
 
 同じ県内に生きる地元紙の記者として、ご遺族の声を受け止め、思いに応えられる記事を書き続けたい。1年は長い道のりの通過点にすぎないと思っている。