空間線量率を測定する機器を確認する参加者=29日午後3時15分、那須町伊王野

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県以外の除染土の処分方法を決めるため、那須町伊王野の伊王野山村広場で実施している環境省の実証試験で同省は29日、住民向けの空間線量率の公開測定を初めて行った。機器で線量を測定する様子を公開し、これまでの測定結果などを報告した。

 公開測定は住民の要望で実施。日本原子力研究開発機構(JAEA)の専門家2人が立ち会い、地元住民14人が参加した。

 環境省の担当者が、これまでの放射能濃度の測定結果を説明。地上1メートルの空間線量率は実証試験の開始後に大きな変化はなく、放射能濃度は大気中はほぼ検出できる下限未満、浸透水(12月下旬から測定)は下限未満とした。

 その後、実証試験の現場が公開され、住民らは測定機器などを見て回った。JAEAの担当者も測定し、「これまでの環境省の測定結果とほぼ同じ」だった。

 参加した同町伊王野、那珂川北部漁協の薄井一郎(うすいいちろう)組合長(75)は「やはり水質の汚染が心配。最近雨が少ないのではっきりとした状況が分からず、今後も注視したい」と話した。

 実証試験は昨年9月下旬から行われ、埋設保管した除染土を掘り起こして埋め直し、周辺の放射線量などを測定し安全性を検証する。得られたデータは有識者らでつくるチームが検討し、年度内に中間取りまとめを行う。