8区を走った下野市の諏訪悠斗選手(中央左)=27日午後、壬生町安塚

 表情は充実感にあふれていた。27日に行われた県郡市町対抗駅伝競走大会に下野8区のランナーとして出走した自治医大5年諏訪悠斗(すわゆうと)さん(24)。中学時代から通算7度目の出場を果たした医師の卵は今回が大会ラストラン。区間24位で終わったが、「やり切った。悔いはない」。今後は産婦人科医という目標に向け走り始める。

 救急医療をテーマにしたドラマの影響で医師を志したが、佐野日大高では授業についていけるか分からない不安から、陸上部への入部を断念。それでも走ることへの情熱を失うことなく「趣味の範囲」でランニングを続けていた。

 選手としての心に再び火が付いたのは、全国高校駅伝で佐野日大高の後輩たちの勇姿を目にしたことがきっかけだった。1浪して入学した大学では陸上部に入部。自らメニューを考えながら、1日2時間の練習をこなし、この5年は郡市町駅伝で下野チームのメンバーに毎年選ばれてきた。

 強く印象に残るのは3年前の第57回大会。自身は補欠だったが、チームは繰り上げスタートの危機を乗り越え総合25位でゴール。「みんなの頑張りが素晴らしかった。だからこそ走りたかった」。この悔しさが走り続ける原動力となった。

 この日は23位でたすきを受けると、3人に抜かれたが1人を抜き返す粘りも見せた。思い出が詰まった郡市町対抗駅伝も今回が最後。今後は医学生として医師免許の取得を目指す。

 「昨夏に受けた実習で命を懸けながら出産を終えた母親と子供の対面に感動させられた。これからは人に感動を与える人生を送りたい」。愛着のあるたすきを仲間に託した24歳は、新たな夢へと走り続ける。