SF映画や特撮ドラマで、しばしば登場するものにバリアー(シールド)がある。敵の攻撃をかわすとっておきの防御策で、この上なく頼りになる存在だ▼同じバリアーでも、障害者やお年寄りたちの行動を阻む障壁の方は、迷惑の極みである。全ての県民が自由に行動できるよう生活環境を整備する理念を定めた「ひとにやさしいまちづくり条例」が施行され、今年でちょうど20年を迎える▼だが、バリアフリーの現状はまだまだ十分とは言えない。改善につなげようと県が新年度事業の一環として、県内宿泊施設のバリアフリー改修工事に助成する方針を固めた▼スロープや手すり、多目的トイレなどバリアフリー化を目指す施設にコンサルタントらを派遣し改修の助言を行う。併せて工事費の一部を助成するという趣旨だ▼バリアフリー観光の先進地が三重県の伊勢志摩だという。「行けるところ」より「行きたいところ」を合言葉に、2002年に発足したNPO法人「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」。宿泊や交通などに関する情報を提供したり無料レンタル車いすを用意したりして、マーケットの開拓に成功しているそうだ▼伊勢市の古びた旅館が、徹底したバリアフリー化を施したところ、集客力は10倍に伸びたと聞く。これは県内の宿泊施設もまねるほかないだろう。