(株)栃木ユナイテッド 代表取締役 セルジオ越後氏 

霧降は僕らを回す動力源

 変化を求め続ける−。それがクラブの宿命だと言う。「どんなに強く結果を出していてもね」。今季、H・C・栃木日光アイスバックスは変革に挑んでいる。フィンランド出身のアリペッカ・シッキネン監督の下、北欧スタイルに変えた。そして着実に成績を伸ばし、レギュラーリーグ4位で、3季連続のプレーオフ進出を決めた。「ファンから『緻密でスピードもあり、見ていて楽しい』と言われます。うれしいね」と目尻を下げる。

 フロント側も変革を遂げた。昨年6月、事務所を移転し、離れていたトレーニングジムが一つ屋根の下に入った。ジムは今後、市民も利用できる態勢に整える予定だという。「超高齢社会の中、皆さんの健康増進に寄与することも必要だし、アリーナじゃない所で選手に会えたらいいしね」と身近なバックスを掲げる。

 バックスは来季20シーズン目に入るが、常に変化を求めるベースには強い危機感がある。「バックスだけ良くても駄目。日本全体が強くならなくちゃ。企業チームには限界があるし、そのあおりは必ず来る。開拓意識のない競技に発展はないから」と辛口な言葉が続く。6日から始まる国内4チームだけで展開するジャパンカップは「リーグを考え直すいい機会になるのでは」と言う。

 力点を置く競技普及は、着実に結果を出している。神戸、仙台など県外でもスクールを開催し、そこで育ったバックスジュニアチームが、昨年の世界大会で3連覇を遂げた。「やがて彼らがバックスを支える時代が来る。そうしたいい循環ができつつある」と手応えを感じている。

 霧降は「僕らを回すマシーンだ」と言う。「ITやAI(人工知能)が進んでも、アリーナの代役にはならない。霧降は大きなエネルギーを発生してくれる所。効率化や経済至上主義の先にスポーツの未来はない。そこをみんな気付いてほしいね」。国内唯一のプロチームという自負の下「日光でしかできないことを全国に発信していこうよ」と呼び掛ける。