(株)栃木サッカークラブ 代表取締役社長 橋本大輔氏

地域力でさらなる高みへ

 栃木SCは2015年にJ3降格の憂き目にあった。社長に就任したのはその直後だった。

 「支援してくださる方々の期待と信頼を裏切った。その回復に努めることからのスタートでした」

 何より大事にしたのは「応援をしてくださる方々としっかり向き合うこと」。クラブへの問い合わせに迅速に回答するのはもちろん、ファン・サポーターへのアンケートや生の声を受け止め、要望の高い順に改善に乗り出した。この2年で「クラブのプレゼンテーションの場」とするホームスタジアムは華やかな装飾が増えるなど雰囲気が劇的に向上。「スタジアムは応援を通じて子どもが親や学校以外の大人と触れ合える良い機会です。大人と子どもが一緒になって楽しめる場所にしたいんです」。その思いは徐々に広がりをみせ、さまざまな企画やチケット販売も功を奏し、昨季の第27節にはJリーグ参入後歴代2番目となる1万1191人を集客、ホームゲーム全16試合で1試合平均5147人を動員し、過去最高に迫った。J3では厳しいとみられたスポンサー企業数も「ほぼ横ばい」。支えたクラブスタッフたちについては「成長しているし、数字で議論ができるようになりました」と手応えを口にする。

 昨季、厳しいJ3での戦いを突破し、今季から3年ぶりにJ2に復帰する。「今年はさらに厳しいリーグ。勝負事なので何が起きるか分かりません。ただ、降格したのは勝敗というよりそこに至るまでのプロセスに問題がありました。そこで学んだことを活かし、J1を目指すべく最大限の努力をしたい」。それだけにとどまらないビジョンもある。「栃木SC傘下の子どもたちが将来社会で活躍するための人間形成などへの取り組みも今後検討したい。そのためにはクラブが大事にする哲学を示し、トップチームからアカデミーまで一体となって進む必要がある。J2でもさらに足元を固めながら前進していければと思っています」