栃木県弁護士会 会長 近藤峰明氏 

市民に身近行政と連携

 弁護士にとって「受難の時代」が始まっている。法曹人口の拡大を目指した司法制度改革により、弁護士数が急増した一方、訴訟などの法的需要は想定ほど伸びておらず、全国的に「弁護士余り」の状況が続く。栃木県弁護士会の会員数も、20年前に会長が入会した当時の約90人から現在は222人、18法人に増加。近県と比べると決して多くはないが、「黙っていても仕事の依頼があった時代とは明らかに変わってきています」と危機感を隠さない。

 「今は、世間の人たちが弁護士に抱くイメージも決して高いものではないでしょう。民間企業なら当たり前のことと思いますが、これから弁護士会としてもどんどん外に出て、活動の実績や意義を広報していくことでイメージアップにつなげたいと考えています」

 基本的人権の尊重、擁護を使命とする弁護士は、時には冤罪(えんざい)事件や公害事件などで国や大企業の権力と対峙し、被害を訴える人たちのために手弁当で奔走することもある。日常的な活動である法律相談では、弁護士会館での開催だけでなく、県内の各自治体に出張しての実施も増えている。最近の法律相談利用者へのアンケートでは、「とても対応が良かった」との回答が目立つそうで、「昔は『弁護士は敷居が高い』と言われましたが、最近の多くの弁護士は気さくで敷居を感じさせなくなっています。人数が増えて良かった点かもしれません」と柔和な笑顔になった。

 県弁護士会は昨年9月、宇都宮市と災害時における法律相談業務に関する協定を締結。2013年には県と同様の協定を結んでおり、今後も災害に限らず行政との連携を重視していくという。

 「学校のいじめ問題や、消費者問題、若年労働者の権利が侵害されている問題など、弁護士が役立てる社会問題は無尽蔵にあると思っています。弁護士会として、行政などに積極的に働きかけていきます」と決意を新たにする。