栃木県生活協同組合連合会 会長理事 竹内明子氏 

人と人との繋がり再生

 少子高齢化や貧困などの社会問題が深刻化する中、生活協同組合の理念である「共に助け合う地域社会」の重要性を熱く訴える。

 「現在は人と人との繋(つな)がりがどんどん失われています。自分のことだけでなく、地域や職場で共に生きる全ての人たちの生活を大切にする共生社会の実現に向け、生協は地域づくりにきちんと関わっていきます」

 栃木県生活協同組合連合会(県生協連)の構成団体は、それぞれさまざまなボランティア活動に取り組んでおり、その中に2014年から続けている「おたがいさま」という有償ボランティア活動がある。地域で助けを求めている人と、「だれかの役に立ちたい」と考える「応援者」をつなぐ活動だ。例えば、病気で寝たきりとなり生活保護を受けていた40代男性から電話で「SOS」を受けたケースでは、病院への付き添いから自宅の清掃、男性の散髪、救護施設への入所手続きまで多くの応援者が奔走。応援者には7年間自宅で引きこもっていた男性もいて、熱心に清掃に取り組んだという。

 「寝たきりだった男性は『おたがいさま』で助かりました。そうした社会のボーダーライン上で生きている人が数多く存在する一方、引きこもりだった男性のように他人のために頑張ることで生きがいを感じている人もいます。こうした地域のセーフティーネットを、もっともっと広げていきたいですね」

 県生協連としても昨年、構成団体の20代~90代の組合員を対象に「暮らしのためのお役立ちアンケート」を初めて実施。回答から浮き彫りとなった福祉問題などさまざまな課題の解決に役立てていくという。

 1969年に創設された県生協連の原点は、当時社会問題となっていた食品添加物や農薬の氾濫を踏まえた「食の安全」の実現だ。「その原点に戻り、若い組合員たちにも食と暮らしの安全についてしっかりと提案し、継承できるようにしていきたいと考えています」