(一社)栃木県建設業協会 会長 渡邉勇雄氏 

地域の信頼で担い手確保

 地方の建設業界は、長年の公共事業費の削減で大きなダメージを受けており、さらに事業量や収益率における大都市と地方の「地域間格差」や大企業と中小企業の「企業間格差」が顕在化している。「これまで建設業は良質な社会資本整備や維持管理を担い、さらには災害等緊急時には組織力や技術力をもって応急復旧に貢献してきましたが、将来に向けての見通しが付けにくく、手探りで取り組まざるを得ない状況です」と課題の多さをにじませた。

 県建設業協会が昨年7月に実施した調査では会員企業の技術者と技能者の年代別構成が50~60代が全体の約4割と高く、10~20代は1割程度にとどまっていることが分かった。この結果を踏まえ担い手確保や技術の継承が手遅れにならないように行政と連携して業界全体で有効な対策を構築していくという。国は生産性向上をうたった「i−Construction」の導入や働き方改革への対応など急速な動きを示している。そうした中、「現実と将来の業界のあり方に照らして必要な提言を行いながらスピード感をもって取り組んでいきたい。この業界を目指す若い人が建設業の魅力を『地図に残るモノづくりに関われること』とよく言ってくれますが、その思いを大切に育ててやりたい」と目を細める。

 近年クローズアップされている「地域の守り手」の役割としては、同協会各支部にある建設業協同組合が異常気象時のパトロールや災害発生時の緊急出動、応急復旧工事などの業務を県から共同受注している。協会独自で開発したGPS携帯による「道路河川管理情報システム」を活用し、「迅速かつ広範囲に行政の補完的役割を担うとともに、建設業の社会的使命を果たしています」と自負した上で「これからはそういう姿も積極的に発信し、地域から信頼され期待される存在になり、さらに多くの人が建設業を志してくれるよう、業界のイメージアップにも取り組みます」と力を込めた。