帝京大学 理事長・学長 冲永佳史氏 

「自分流」で人材送り出す

 人口減少社会の中で大学の役割とは何か、を考え続けている。「大学は、人間とは何かを考える時間を与えられた場です。人間には遊び心が必要。面白い学生、常に『何かをやりたい』という潜在意識を持った若者に出会いたい。そしてその才能を開花させたい」と語る。

 1989年、理工学部設置に伴い、宇都宮キャンパスを開設。来年で開設30周年を迎える。「大学という組織にとって30周年は、歴史としては浅い方です。あまり意識せず、その先の10年を見据え、粛々と進めていきたい」

 現在、理工学部だけでなく経済学部、医療技術学部、大学院を設置。東京ドーム6個分の緑豊かな広い敷地に、工学実習のためのスペースや設備が充実したキャンパスとして知られる。今年はこのキャンパスに、外国人留学生のための学生寮を整備する。「シェアハウスのような形式で、料理を作るなどして学生同士で交流を深めてもらいます。もちろん日本人にも利用してもらい、日本語、英語を問わずコミュニケーションを取ることで国際的な教養を身につけてもらいます」

 昨年9月、同キャンパスの工学系クラブ「帝京フォーミュラプロジェクト」が静岡県で開かれた全日本学生フォーミュラ大会に初出場。さらに11月には、コスタリカで開かれた自律型ロボットコンテスト「WRO(ワールド・ロボット・オリンピアード)2017コスタリカ国際大会」で帝京大のチーム「帝京ロボラボ」が3位に入るなど話題も多い。「モノを作ることを経験しながら、理論的裏付けのあるエンジニアを育てていきたいですね」

 今年4月、経済学部に国際経済学科、法学部に政治学科を開設する。学生数が減る中、攻めの姿勢を示すのは、教育理念「自分流」に基づき、学びのフィールドを広げる狙いがあるからだ。「生産労働人口が確実に減少する中、大学の役割はたくさんあります」と抱負を語る。